完全なる証明 →
ペレルマンの育った旧ソ連の数学教育、研究の世界を知ることができる貴重な書。
ペレルマンは問題を解決する能力においては現在最も優れた数学者であったかもしれないが、新しい分野を切り開き構成していくタイプの数学者の存在を知らない一般の読者は、数学業界についてやや偏ったイメージを持ってしまうかもしれない。
数学と社会の間には純粋性において大きな隔たりがあり、それに耐えられなかったペレルマンには同情するしかない。社会で天才を純粋培養する必要性については、今後我々に残された問題である。
世間の賞賛にも背を向けてしまった彼の姿に悲しみを覚えずにはいられない。